骨折・脊椎圧迫骨折の治療法
骨折の治療法
骨折は、医学的には「骨の連続性が断たれた状態」と定義されています。ケガをした時に凄く腫れていて、痛みが強く、外見上変形していれば、誰が見ても骨折であると分かります。
しかし、症状が軽く、レントゲンを撮っても骨折線が見られないケースも有ります。こういった場合でも押さえて痛みが強い時にMRIを取れば、骨内に内出血が見られて白く写ってくれば、骨の異常がある事が分かります。こうしたケースは骨挫傷と呼ばれます。経験のある整形外科医であればMRIを取らなくても予想は出来ますが、念のためにMRIを取ることもあります。両上下肢であれば、MRIを取らずに治療を開始できます。
保存的治療として、ギプスやシーネ固定があります。骨折線のズレがない場合、保存的治療で十分治りますが、手術が必要な骨折も必ず存在します。その時は、遅滞なく専門病院を紹介する事を心がけています。
脊椎圧迫骨折の治療法
しかし、高齢者の脊椎圧迫骨折の場合、レントゲンでも何番目の骨が骨折しているかが分からない時が有ります。腰痛を訴えて来院される場合も、実際に骨折している所はもっと上の場所の事が多いです。こうした場合は、MRIを撮って骨折部位を特定した上でコルセットを作るのが良いでしょう。骨折の場所によってコルセットの長さが違ってくるからです。コルセットの長さが短いと、固定が不十分になり、遷延治癒(なかなか骨がつかない)、偽関節(骨がつかず、骨の中で異常な動きが見られる)になる事が有るからです。
受傷後から1ヶ月経っても痛みが引きにくいときは、PTH製剤の注射で治療します。これについては、骨粗鬆症の所で説明します。骨折の治癒が促進され、良い結果が得られています。
公開日:
最終更新日:2015/02/06